自由な環境

自由な環境

おたがいサロンでは、利用する人たちができるだけ自由に、その人らしく過ごせるような環境にしたいと思っています。それは放任の自由ではなく、沢山のことを経験して、いろんな感情を感じ表現する自由です。何をしたいのか自分で自分を律し、自分の居場所を創り、自分の役割を発見し行動するのです。

他人同士が、数時間同じ空間で過ごし、スタッフの人数が限られているので、すべての人の望みをかなえることは難しいのが事実です。しかし、他者と関わることで感情が生まれ、他者と折り合いをつけて人間関係を築く時間も楽しむのです。自我を押し付けることもあれば、自我を削ることもあり、わがままに振る舞う人もいれば、思いやりに溢れる人もいます。気の合う人もいれば合わない人もいます。人の様子を見てまた思考や感情が生まれ、自分はもっとこうしたいという思いが湧き出し、自由な環境だからこそ個性が引き立ち、可能性が広がります。苦しいこと、大変なことを乗り越えるから、楽しいと感じることができるのです。

例えば、子供たちとお年寄りの関係では、何事もお年寄り優先の思いやりが、自然と子供たちに身についていくものです。お婆ちゃんが歩く時は邪魔にならないように道を開けたり、椅子を譲ったり。するとお年寄りに感謝されるので他者への貢献感を感じることができます。そして何か作業をするときにはお年寄りが優しく丁寧に根気よく教えてくれます。お年寄りもまた貢献感を感じます。他者とお互いさまの関係がおたがいサロンで過ごす時間に経験できるのです。

自由な環境で様々な事を経験しながら、笑ったり、泣いたり、怒ったり。お年寄りも子供も感情の感じ方、感情表現は個性的で、心を表現することでその人らしさが現れます。皆とてもチャーミングで可愛らしいので、こちらも一緒に感動してしまいます。お年寄りと日々過ごしていると、心の支援をすることで、その人らしく生活する事ができるのではないだろうかと感じます。人は生きている限り感動することができます。人と交わり、感情を表現することは、心の栄養になるので、認知症の症状があっても人との関わりを持てるように、なるべく言葉を失わないように対話をすることを心がけています。

おたがいサロンのスタッフが最も苦労し、大切にしていることは、他者の中でその人らしく存在できるように、人と人の橋渡しができるように、スキルを磨くことなので、研鑽の日々を過ごしています。

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