心を感じて会話する
自分の思いや考えを伝えることができないお年寄りがいます。認知症が進行すると、言葉が思うように使えなくて自分の意思を他者に伝えることが難しくなります。単語が思うように浮かんでこなかったり、単語を繋げて文章にできないのです。
一般の方は何を話しているのか一生懸命聞こうとして、何度も聞き返したり、質問しようとするかもしれません。でも相手は難聴で認知症だと、私達の言葉を伝えることも難しくなります。
そんな時は心で会話をします。お年寄りが一生懸命考えて、口から溢れでてくる言葉を、一つ一つ聞き、その単語から何を伝えたいのか、いつの時代のお話なのか、そして表情で嬉しいのか怒っているのかなど、想像力を働かせます。時にはボデイタッチをしながら、身体から伝わる感情を感じるようにします。
聴く側の私たちはお年寄りの表情に合わせて、笑顔で聞いたり労うような表情で身体をさすったり、お年寄りの感情を想像して私達の態度を考えます。心に寄り添いひたすら聞くのです。
すると、話の内容はかみあわなくとも、感情が伝わったという実感があると、お年寄りの表情が和らいで、心が開いて来ます。
一生懸命おはなしをしてもらうと、発音が良くなって出てくる言葉も多くなって来ます。だから言葉が上手に出てこなくても、一生懸命お話できるように、おしゃべりの相手になります。
認知症のお年寄りとのおしゃべりを楽しんでいると、言葉の意味を伝え合うことよりも、感情のおしゃべり、感情の共有がとても大切なことなのだと教えられています。
相手を思いやる心を持つことで、感情のコミュニケーションが可能になる感じがします。
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