地震2日目-9月7日(金)(藤田)(2018.9.12)-Vol.212-
夜中のうちに、お隣の建物は電気が復旧しているのに、おたがいサロンは相変わらず停電。
だからこそ、いつもの顔なじみのスタッフと笑える、日常の時間を提供したいと思い、希望者だけデイサービスに来ていただきました。
いつもと変わらないお年寄りの元気な笑顔に、こちらのほうが癒やされます。
電気が復旧しているお隣のデイサービスから豚汁の差し入れもいただきました。食事は冷凍庫の食材を炭焼きで提供。ご飯は電気が復旧しているスタッフの家で炊飯。ガスが使えるスタッフの家で煮物など、皆で助け合い昼食の準備。
いつものような完璧なデイサービスはできませんが、非常時はお互い様で許してもらいます。
外が暗くなる前に、早めにご自宅に送りました。ヘルパーさん、訪問看護師さんも、一人暮らしのお年寄りが多いので、安否確認を含めて、いつもと変わらず利用者さん宅を回っていて、頭が下がります。
室蘭市内、あちらこちら電気が復旧したとの情報があっても、おたがいサロンは電気がつきません。空が少しずつ暗くなってくると、また暗闇の夜がくると思うと心細くなってきます。
そんな時、知人から家庭用の発電機を貸していただき、少しほっとしました。非常事態には、人の優しさが心に明かりを灯してくれるものです。
そろそろ夕飯という時間に、いきなりスプリンクラー制御装置から、耳が痛くなるような警報音がなり電気が普及したことがわかりました。スイッチを押すとライトがつき、室内が明るくなります。食堂に集まっていた皆さんから、歓声があがりました。
「いや〜よかった」
「何もすることが無いから、テレビが無いって苦痛だね」
「昔は電気が無いのが、あたりまえだったのにね」
皆の表情がとても明るくなり、安心した様子が一目瞭然。何も文句は言わなかったお年寄りですが、辛抱していたことがわかります。
スタッフから
「申し訳ないけれど、あまり食材が無いので在り物になります」
お年寄りは
「そんなの大丈夫。空襲の時に比べたらまだまだ大したことは無い」
そうなのです。戦争を経験している皆さんは、辛抱強く耐え、しかも私達を気遣い、励ましてくれるのです。戦争当時の経験は想像を絶し、どれほどの苦労だったのだろうと、お年寄りをあらためて尊敬の眼差しでみつめます。
(藤田)
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