みつこさんは、視力が弱いので一人で目をつぶって座っている時間が多くなってしまいます。 ボランティアのチヨちゃんが、手を握ってみつこさんの大好きな童謡を一緒に歌ってくれています。 なるべく孤立しないように、人のぬくもりを感じられるように、そして自分自身が生きていることを楽しめるように。 歌が聞こえてくると、周囲の人もつら...
かけがえのない存在( 9 )
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3月で94歳になるせつこさん。 以前は一人暮らしをしていましたが、高齢者住宅に入居して5年がたちました。 ヘルパーさんにお手伝いしてもらいながら、お洗濯やお部屋のお掃除は自分で行う几帳面な女性です。 生まれも育ちも室蘭で、戦争当時のお話から、室蘭の最盛期のお話まで、昔話はとても興味深いものばかり。親しい人といつも楽しそ...
おたがいサロンの看板娘(婆)として毎日大活躍中。 初めて出会った9年前と比べると、シワも増え、腰も曲がり、休む時間が多くなり、動いているか寝ているかの生活リズムになっています。 それでも変わらないのは、すべてに感謝する気持ちと、人を思いやる優しさ。 この笑顔に私たちはいつも癒やされています。 表情には心の状態が映し出さ...
洗濯カゴにすっぽり入って遊んでいる男の子。 その隣に寄り添うおじいちゃん。 サロンにいる時間は、皆が支え合う家族のような関係。 おじいちゃんの男の子に向ける視線と、そっと寄り添う姿勢。 その背中から、思いやりと優しさを感じます。 専門的な知識や技術を学んでいても、若い私たちは、未熟な部分もたくさんあります。 人との向き...
丁寧に塗り絵を塗っているおばあちゃん。 とても器用で、いつも雑巾を縫ってくれます。 昔のお話を伺うと、大変な波乱万丈な人生。 そんな人生を送ってきたとは思えない穏やかさと優しさに驚かされます。 おたがいサロンを利用しているお年寄りには、一人ひとり人生のドラマがあります。そのお話を伺うことで、人生の大きな勉強になるのです...
おばあちゃんは、若い男の子に優しい。 主婦のプロとして生きてきたおばあちゃんたち。 お裁縫は大の得意です。 大学生の男の子に 「手伝って欲しい」 「教えて欲しい」 なんて言われると、優しいおばあちゃんたちは逆らえません。 ハサミを持ったり、針を持ったり、毛糸を巻いたり、自分のできることを披露します。 おばあちゃんの隣で...
2ヶ月近く入院していたしょうきちさん。 おたがいサロンに帰ってきた時には涙の再会。 しょうきちさんの口癖は 「俺はもうダメだ〜」 「あの世に早く行きたい」 今回の入院でも、残念ながらその願いは叶わず。 私たちは再会できたことがとても嬉しく、安心しました。 退院後はリハビリのためデイサービスに通っています。日に日に体力が...
経営者として会社の舵取りを行うために、意図的におたがいサロンの仕事から離れて半年がたちました。新しい事業の構想も出来上がり、この春からは本格的に始動です。 人々が支え合い、共生できる環境つくりを地域展開すること、そして共生を実践できる人の成長を支える仕掛けを創ることを考えています。 ありがたいことに、組織を超えて一緒に...
人生は思い通りになりません。 時に投げ出したくなったり、逃げ出したくなったり。 失ったものに引きづられ、結果に執着し、創造に気持ちが向けられず、人生の目標を見失う時期もあります。 「歳を重ねることよりも、人生の目標が無くなることの方が恐ろしい」と話している人がいました。 でも人生を乗り越えてきたお年寄りは、悲しみを受け...
デイサービスで翌日の準備を手伝ってくれているおばあちゃんたち。 途中でわからなくなって落ち込む人がいると 「わからないことも、なんでも笑いに変えたらいいよ」 と、励ましてくれる周囲のおばあちゃんたち。 できなくても、まちがっても良い。 皆で助け合い、人を思いやる心が、いとおしく、やさしさが伝わってきます。 (てらっち)...