寄り添う( 14 )

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仕事に対する強い責任感(藤田)(2018.9.27)-Vol.227-
おじいちゃんは、お仕事に対する責任感が強いのです。 のんびりしてはいられません。 ちょっと身体を休めたら、仕事に行かなければなりません。 「さあ、そろそろ私はこれで失礼します」 時計を見ながらそう言って、右手をあげて「じゃ!」 満面の笑顔で出ていこうとします。 いろいろお話を聴いて、身体を休めて貰おうと工夫しますが責任...
不確かな記憶ゆえの健気さ(藤田)(2018.9.23)-Vol.223-
お年寄りは、自分の記憶の不確かさの中で生活していると時々感じているものです。 「ご飯何食べたかな?」 「お金持ってきたはずなのに財布に入っていないな?」 「今日は何曜日だったかな?」 それでも、自分の「今ある記憶」を細い糸でつないで生活します。 きっと、記憶が確かではないことに、不安があるのでしょう。 「私、時々あたま...
心のこもった嘘(藤田)(2018.9.22)-Vol.222-
住宅に入居しているおばあちゃん。入居して1年近くたちます。 デイサービスに行き、夕方住宅に帰ると今日がお泊り「1日目!?」になります。毎日が新鮮です。 ある日の夕方も、おばあちゃんからスタッフに声がかかります。 「ちょっと、今日ここに泊まるのに家に電話してくれたかい?」 「大丈夫、電話しておいたよ」とスタッフ。 「誰で...
寛容な心と幸せな空間を守る責任(藤田)(2018.9.21)-Vol.221-
おたがいサロンのお年寄りには、他者を受け入れる心の広さがあります。 歌を口ずさむおばあちゃん。皆が食事をしている間でも、好きな歌を歌っています。今日は特別大きな声。時折笑い声もまじりながら楽しそうに笑顔で歌っています。 周囲で聞いているお年寄りたち。ともすれば「うるさい」「行儀悪い」と思う人もいるかもしれません。 でも...
老化という自然な変化と自由がもたらすジレンマ(藤田)(2018.9.16)-Vol.216-
お年寄りと一緒に生活していると、少しずつ変化しているのを感じます。体力が低下する、認知機能が低下するなどなど、老化による機能低下は少しずつ進んでいます。 この自然な変化に、強く抵抗すると逆にお年寄りの負担になります。夜中のトイレ誘導が、本人にとって良いものなのか、座っていることが体力的に辛いことでは無いのだろうか、食べ...
地震3日目-9月8日(土)(藤田)(2018.9.13)-Vol.213-
電気が復旧し、ほぼ通常の生活に戻りました。デイサービスにはいつものお年寄りの笑顔が。 「地震すごかったね」 スタッフがお年寄りに話しかけます 「知らないな〜」 「地震?地震なんて無いよ」 「あったよ〜、目覚めなかったの〜?」 「地震はなかったよ。あんたの心が揺れているんだ」 「あんなに揺れたのに、起きないなんてよっぽど...
地震2日目-9月7日(金)(藤田)(2018.9.12)-Vol.212-
夜中のうちに、お隣の建物は電気が復旧しているのに、おたがいサロンは相変わらず停電。 だからこそ、いつもの顔なじみのスタッフと笑える、日常の時間を提供したいと思い、希望者だけデイサービスに来ていただきました。 いつもと変わらないお年寄りの元気な笑顔に、こちらのほうが癒やされます。 電気が復旧しているお隣のデイサービスから...
地震1日目-9月6日(木)(藤田)(2018.9.11)-Vol.211-
夜中の3時に、建物が崩れるのではと思うほどの大きな揺れ。同時に停電し施設内は非常灯の明かりのみになります。地震に気づかなかったのは入居者8名のうち、おばあちゃん2人とおじいちゃん1人。流石です。 地震で目覚めた5名のお年寄りはお部屋から出てきて、驚きを隠せない様子。私と他役員、職員は停電で自宅の中も落ち着かない状況で、...
施設入所と思いの変化(2018.9.8)-Vol.208-
夏が終わろうとしています。 今年の夏はデイサービス利用者の数名が施設に入所することになり、お別れした人がいました。ほとんどが、一人暮らしのお年寄りで、認知症のために生活に支援が必要な方々です。 10年前の私は、できるだけ住み慣れた家で、家族と一緒に生活することが理想だと感じていました。 でも高齢者住宅を開設し、家族から...
優しい景色(藤田)(2018.9.7)-Vol.207-
ゆうこさんが衣紋掛けを沢山手に持って歩いていると、持ちきれずに近くにいた男の子に助けを求める。 わけも分からずとにかく渡された衣紋掛けを受け取る男の子。 ゆうこさんの手の中の衣紋掛けはどんどん崩れてこぼれていく。 そしてまた、男の子に渡していく。 きっとゆうこさんは男の子に何か良いものをあげているつもり。 男の子は何も...