デイサービスに通っているおじいちゃん。 いつも一緒に生活している、おばあちゃんが病気で入院してしまいました。 「ばあさんがいなかったら、もう俺は死んでしまう」 おじいちゃんはしょんぼりしています。 おじいちゃんは若い頃、社会で大活躍してきました。仕事で日本中を飛び回り、天皇陛下に勲章ももらいました。おじいちゃんが家を留...
不安( 4 )
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おじいちゃんは、お仕事に対する責任感が強いのです。 のんびりしてはいられません。 ちょっと身体を休めたら、仕事に行かなければなりません。 「さあ、そろそろ私はこれで失礼します」 時計を見ながらそう言って、右手をあげて「じゃ!」 満面の笑顔で出ていこうとします。 いろいろお話を聴いて、身体を休めて貰おうと工夫しますが責任...
お年寄りは、自分の記憶の不確かさの中で生活していると時々感じているものです。 「ご飯何食べたかな?」 「お金持ってきたはずなのに財布に入っていないな?」 「今日は何曜日だったかな?」 それでも、自分の「今ある記憶」を細い糸でつないで生活します。 きっと、記憶が確かではないことに、不安があるのでしょう。 「私、時々あたま...
住宅に入居しているおばあちゃん。入居して1年近くたちます。 デイサービスに行き、夕方住宅に帰ると今日がお泊り「1日目!?」になります。毎日が新鮮です。 ある日の夕方も、おばあちゃんからスタッフに声がかかります。 「ちょっと、今日ここに泊まるのに家に電話してくれたかい?」 「大丈夫、電話しておいたよ」とスタッフ。 「誰で...
お年寄りと一緒に生活していると、少しずつ変化しているのを感じます。体力が低下する、認知機能が低下するなどなど、老化による機能低下は少しずつ進んでいます。 この自然な変化に、強く抵抗すると逆にお年寄りの負担になります。夜中のトイレ誘導が、本人にとって良いものなのか、座っていることが体力的に辛いことでは無いのだろうか、食べ...
電気が復旧し、ほぼ通常の生活に戻りました。デイサービスにはいつものお年寄りの笑顔が。 「地震すごかったね」 スタッフがお年寄りに話しかけます 「知らないな〜」 「地震?地震なんて無いよ」 「あったよ〜、目覚めなかったの〜?」 「地震はなかったよ。あんたの心が揺れているんだ」 「あんなに揺れたのに、起きないなんてよっぽど...
毎日デイサービスに来ているおばあちゃんがショートステイ(短期入所)を利用しました。初めてのお泊りで、おばあちゃんが混乱しないか心配だったのですが、無事に2泊3日の冒険を終え、久しぶりにデイサービスに元気な笑顔で登場。 「久しぶりだね〜。どこか行ってたの?」 スタッフが聞いてみました。するとおばあちゃんは 「層雲峡と定山...
認知症はいろいろな症状が現れますが、主に記憶が障害されます。 症状は人により異なりますが、ついさっきおしゃべりしていた内容も忘れてしまいます。だから「今」が大切なのです。 本日の高台レストランx子ども食堂、 ル・ミエーレとナニナニ製菓のコラボ 阿部シェフがスーパー料理人として登場! 「今」の時間が自分らしく、感情を素直...
デイサービスで残業をしていたスタッフが業務終了後一息ついていました。すると、住宅のお部屋から登場したおばあさん。可愛いパジャマ姿です。 「ちょっと、相談したいことがあるんだけど・・・。」 夜に1人になり心配事があると、相談に来てくれます。相談に乗りながらも話はおばあさんの若い頃のお話に。 「こんなこと、あまり人に話した...
おばあちゃんの巾着の中には、シワシワ、ヨレヨレのメモが沢山入っています。 ご家族の名前、電話番号、いつ来るのかなどなど、同じような内容のメモが重なっています。物を紛失することがあっても、このメモだけは肌身離さず持っています。自分のお部屋にいる時には、何度も何度も、そしてじっくりとメモを見返しています。 ご主人が亡くなり...