電気が復旧し、ほぼ通常の生活に戻りました。デイサービスにはいつものお年寄りの笑顔が。 「地震すごかったね」 スタッフがお年寄りに話しかけます 「知らないな〜」 「地震?地震なんて無いよ」 「あったよ〜、目覚めなかったの〜?」 「地震はなかったよ。あんたの心が揺れているんだ」 「あんなに揺れたのに、起きないなんてよっぽど...
かけがえのない存在( 13 )
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夜中のうちに、お隣の建物は電気が復旧しているのに、おたがいサロンは相変わらず停電。 だからこそ、いつもの顔なじみのスタッフと笑える、日常の時間を提供したいと思い、希望者だけデイサービスに来ていただきました。 いつもと変わらないお年寄りの元気な笑顔に、こちらのほうが癒やされます。 電気が復旧しているお隣のデイサービスから...
夜中の3時に、建物が崩れるのではと思うほどの大きな揺れ。同時に停電し施設内は非常灯の明かりのみになります。地震に気づかなかったのは入居者8名のうち、おばあちゃん2人とおじいちゃん1人。流石です。 地震で目覚めた5名のお年寄りはお部屋から出てきて、驚きを隠せない様子。私と他役員、職員は停電で自宅の中も落ち着かない状況で、...
夏が終わろうとしています。 今年の夏はデイサービス利用者の数名が施設に入所することになり、お別れした人がいました。ほとんどが、一人暮らしのお年寄りで、認知症のために生活に支援が必要な方々です。 10年前の私は、できるだけ住み慣れた家で、家族と一緒に生活することが理想だと感じていました。 でも高齢者住宅を開設し、家族から...
さりげなくエプロンを差し出すと 「何?仕事かい?」 と言いながら袖を通し、仕事モードのスイッチが入る二人。 八百屋の店番、高台レストランのウェイトレス、ご飯盛り付けそして茶碗洗となんでもこなす。とても優秀な助っ人です。 二人の仕事ぶりを見ていると、素敵な優しいお母さんだったのだろうなと感じます。 物忘れはご愛嬌。忘れて...
おたがいサロンを始めた時、お金を儲けることが目的ではなかったので、経営の勉強をしていませんでした。案の定、馬鹿みたいに沢山失敗しました。 良い人も、そうじゃない人も寄ってきて、人を信じてしまう私はそれでお金を失うこともありました。でもお金を失ったことよりも、心の傷のほうが深く残るものです。 以前お世話になっていた金融機...
人の価値は何かができるできないでは決められません。認知症で物事を忘れてしまっても、病気で身体に障害があっても、生活は不自由になるかもしれませんが、それはけして悪いことではありません。 私はお年寄りからどれだけ励まされたことでしょう。 泣きたい時、逃げ出したい時、そんな辛い感情にそっと優しく寄り添い 「大丈夫。今を楽しみ...
毎日デイサービスに来ているおばあちゃんがショートステイ(短期入所)を利用しました。初めてのお泊りで、おばあちゃんが混乱しないか心配だったのですが、無事に2泊3日の冒険を終え、久しぶりにデイサービスに元気な笑顔で登場。 「久しぶりだね〜。どこか行ってたの?」 スタッフが聞いてみました。するとおばあちゃんは 「層雲峡と定山...
私は、看護師として病気や障害などの事情で生活に支援が必要な方々をお預かりして、それぞれの家族が幸せになるお手伝いがしたいという思いから「おたがいサロン」をはじめました。沢山回り道をしながら、10年近くの時間をかけて、その思いと願いが具体的な形になりました。 利用して下さるお年寄りや子どもたちは、輝くような個性を持ってい...
おたがいサロンのスタッフは利用者さんであるお年寄りと親友になります。親友になる方法は極々あたりまえのこと。 お会いできたことに、そして人生の中の貴重な時間を一緒に過ごせることに対する感謝、相手への感謝から始ります。 感謝とともに、これまでの人生経験を尊重し、お年寄りを一所懸命に知ろうとします。 認知症で記憶が曖昧だった...